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大阪の未来を彩る《此花水龍》|小松美羽と岡田准一が語るパブリックアート
2024.04.16
ARTIST NEWS
(左から)ミャクミャク、岡田准一、小松美羽、髙橋英樹区⻑、このはちゃん
小松美羽が手掛けたパブリックアートが、大阪市此花区アートプロジェクト「konohana permanentale 100+」の第1弾として発表された。2024年3月27日(水)に大阪市此花区正蓮寺川公園内で行われた発表会には、此花区長の髙橋英樹をはじめ、プロデューサーである俳優の岡田准一、そしてアーティストの小松美羽が登壇し、パブリックアートへの想いを語った。
正蓮寺川公園に登場した《此花水龍》
大阪市此花区アートプロジェクト『konohana permanentale 100+』第1弾作品発表会
アートプロジェクト『konohana permanentale 100+』の記念すべき1作目としてお披露目されたのが、高さ約3.5メートルとなる迫力満点の《此花水龍》。プロジェクト第1弾のプロデューサーである俳優の岡田准一は同作品について「力を感じる。この場所にあるだけで雰囲気も変わりますね」と感想を語り、パブリックアートを手掛けた小松は「《此花水龍》もこれからここに住むことを喜んでいるよう。とても嬉しい」と、自身の作品が初お披露目となった想いを伝えた。
第1弾のプロジェクトを担当した岡田はトークセッションで小松にオファーした理由を問われ、「彼女の “祈り” というものが、今世界からとても注目されている。世界で戦い、そして世界から評価されている彼女の初の立体パブリックアートがここにあることは、とても大きな意味があると思ったんです。そして、彼女の“祈り”を日本の大阪から世界へ発表することは、今の時代にふさわしいんじゃないかと思い、オファーさせていただきました」と回答。これに対し小松は「ちょうどパブリックに立体の作品を出していきたい、そういうアート活動をしていきたい、と思った矢先のオファーだった」とプロジェクト参加への経緯を明かした。
《此花水龍》に込めた想い
大阪市此花区アートプロジェクト『konohana permanentale 100+』第1弾作品発表会
此花区に初めて足を踏み入れ、土地を見て回っている最中、循環する恵みの水のブルーと、冬から春を告げる桜のピンクの2色の輝きが見えました。その色はだんだんと水龍の体に染み込んでいき、いつしか1柱となりました。この土地に生きる人々、生ける生命、育まれた文化、土地に存在する自然エネルギーが大調和していくことで、水龍の形となって私の前に出現しました。⻄の方角に向く水龍は、遣唐使の辿った方向を見つめています。水龍の口が「阿」の形で開いているのは、始まりの「あ」であり、これからの未来において繁栄と純粋な力のサイクルが大地を正しく回るようにという心が込められています。
龍の口の中には宝珠があり、災難を除き、悪きを祓い、淀さえも清らかな姿へと変換されていくようにという願いが込められています。龍は水の性質を持っており、龍脈という言葉もあります。此花水龍の立体をこの地に置くことで、自然と人と文明が大調和していく様の1つのシンボルになれれば幸いです。また、龍を塔のような形にしたのは、悪や負を鎮め、浄化する意味があります。私がノルウェーに滞在した時に実際に見た龍(ドラゴン)の話です。当時、海域を支配していた者がバイキングの時代、バイキングといえど海と向き合うということは常に命懸けだったそうです。そのため、家の屋根などに今でもドラゴンの口にバンドを施し、荒ぶる龍を封印することで海を鎮めているのだそうです。日本でも古来から荒ぶる神聖な存在と向き合い、祠や神社を建てて祀り、自然の力を敬い尊敬し、時に畏怖しながら共存してきました。
また、龍脈は日本全土、いや、世界中と繋がっていて、あなたの立っている「此花区のその場所」こそが、全てと繋がる場所なのです。人が大好きな此花水龍は、美しき万年咲く桜を身にまとい、水を清らかに変換しながら、どうか未来へ向かう我々人類と大調和し続けますようにと、私自身も祈りを込めて筆をとり、立体に実際に絵筆を走らせて完成へと導きました。
ー小松美羽ー
大阪市此花区アートプロジェクト『konohana permanentale 100+』第1弾作品発表会
【konohana permanentale 100+ 第1弾概要】
作品タイトル:此花水龍(このはなすいりゅう)
設置場所:正蓮寺川公園 千鳥橋⻄側芝生内
住所:大阪府大阪市此花区4 朝日2丁目