二川和之 個展

HK H Queen’s 7-8/F

2023.04.14 - 05.10

INTRODUCTION

香川県高松市に生まれた二川は、高校生の頃に画家になることを決意し、決意そのままに金沢美術工芸大学で伝統的な日本画を学び、その後東京藝術大学で日本画を研究。自然の風景や動物、植物などを描くための基礎を学びながら、河合玉堂(1873-1957)をはじめとする日本画の巨匠たちの作品に出会い、人間と自然との関わりを探求するようになった。

KAZUYUKI FUTAGAWA

「岩絵具」は二川にとって非常に重要な素材である。岩絵具とは鉱物を粉末状に砕いた顔料のことで、「膠(にかわ)」を使って岩絵具を画面に付着させる方法は、日本画の伝統的な制作方法でもある。絵具を重ねるほど鮮やかで濃厚になり、絵画に奥行きを生み出す岩絵の具は、二川作品において、現実的でありながら夢のような、芸術家の内なる記憶を融合させるかのような幻想的な色彩をもたらす。二川は長年にわたって岩絵具と向き合い、岩絵具の特性を最大限に引き出しながらも繊細な描写を可能にする高度な技術を習得。その結果、岩絵具の特徴である奥行きある独特の色合いとダイヤモンドのような輝きで、美しい風景と作家の自然への愛情の表現に成功した。

風景や人物の精巧な描写を得意としている二川の作品には、近年新しい要素が立ち現れている。大自然の風景を訪ねてきたかのように、あるいは、花や緑に誘われて森林に迷い込んだかのように、風景画の中に溶け込むシルエット。人々の脆さを如実に映し出す自然に対して、人間は畏怖と謙虚さを持ち続けなければならないと作家は考える。二川は日本各地を巡り、史跡を訪ね、さらにその土地の歴史を調査し、長い時間をかけて得た経験をキャンバスの風景に落とし込む。二川の絵画は、フィルム写真の二重露光に似てもいる。刻々と変化する風景を記録しながら、内なる平穏を描き出す。そこでは日本画の技法を駆使しながらも、伝統性に捉われない超現実的な絵画が構築されている。

ABOUT

二川和之 個展
2023.04.14 - 05.10

香港 / H Queen’s

8F / H Queen’s, 80 Queen’s Road Central, Hong Kong
Tel: +852 2523 8001
Fax: +852 2523 8005
Opening Hours: 11:00 - 19:00
Closed: 日曜、月曜
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