COLLECTIONS
東京国立近代美術館 / 芦屋市立美術博物館 / 東京都現代美術館 / 兵庫県立美術館（日本・兵庫）ほか
田中敦子
田中敦子
1955年より具体美術協会に参加。20個のベルを2メートル間隔でつなげた作品、幾つもの電球や管球をくくりつけた電飾衣装を着た『電気服』のパフォーマンスで一躍注目された。このように、電気システムの装置が制作の重要なモチーフとなる。電気配線のデッサンからアイデアを得、円や曲線が複雑に入り組んだ平面作品を展開。メディウムに合成樹脂エナメル塗料を用い、滑らかな絵肌、鮮やかな色彩で独自の存在感を放つ。白髪一雄・元永定正とならぶ具体初期を代表するアーティストのひとり。欧米での展覧会も多数。
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MAJOR EXHIBITIONS, COLLECTIONS
IMAGES
Atsuko Tanaka Displaying "Electric Dress" at the 2nd Gutai Art Exhibition(Ohara Kaikan, Tokyo) 1956 ©︎Ryoji Ito
Atsuko Tanaka drawing a picture at home(myohoji), 1966, ©︎Ryoji Ito
Atsuko Tanaka standing in front of "Work" 1964(currently "Untitled" Museum of Modern Art, New York) at the venue of the 6th Exhibition of Contemporary Japanese Art (Tokyo Metropolitan Art Museum) ©︎Ryoji Ito
Work, 1958, Vinyl paint on canvas, 223.8 x 183.5 cm / Hyogo Prefectural Museum of Art(The Yamamura Collection) ©︎Ryoji Ito
Gate of hell, 1965-69, Vinyl paint on canvas, 331.5 x 245.5 cm / The National Museum of Art, Osaka ©︎Ryoji Ito
Thanks Sam, 1963, Vinyl paint on canvas, 226.0 x 194.0cm / Chiba City Museum of Art ©︎Ryoji Ito
'87H, 1987, Vinyl paint on canvas, 193.7 x 257.5 cm / Ashiya City Museum of Art & History ©︎Ryoji Ito
'94B, 1994, Vinyl paint on canvas, 300.0 x 510.0 cm / Toyota Municipal Museum of Art ©︎Ryoji Ito
Work, 1955, Rayon, 1000 x 1000 cm / 2007 reconstructed for the documenta 12, Kassel Germany, Photo by Mizuho Kato
BIOGRAPHY
- 1932
- 大阪にて、父・石松、母・タミの五女として2月10日に生まれる（四人の姉と四人の兄をもつ）。
- 1950
- 大阪市立美術研究所で学ぶ。同門に金山明、白髪一雄がいた。
- 1951
- 京都市立美術専門学校（現・京都市立芸術大学）に入学するが、同年秋に中退し、大阪市立美術研究所に再入所。金山の助言を受け、抽象絵画の制作を始める。
- 1953-54
- 入院生活を送り、しばらく病院で過ごす。退院までの日数を数えるために数字を書き、その輪郭をオイルパステルでなぞった。このときの体験について、初めて「美術」という概念を自覚した瞬間だったと後に振り返っている。退院後、〈カレンダー〉など数字をモチーフにしたコラージュ作品を制作する。金山明、白髪一雄、村上三郎ら若い前衛作家によるグループ、ゼロ会（Zero-kai）のメンバーとなる。
- 1955
- ゼロ会の主要メンバーが、吉原治良を中心とする前衛美術集団・具体美術協会と交流を深める。芦屋公園（兵庫）で開催された「真夏の太陽にいどむ現代美術野外実験展」にて、地面から30cmの高さに張られた一辺10メートルのピンクの人絹レーヨンによるインスタレーション作品を発表。大原会館（東京）での第1回具体美術展では、《作品（ベル）》を出品。これは20個の電気ベルが連動して鳴り響く装置的作品であった。
- 1956
- 芦屋公園での「野外具体美術展」にて、七体の巨大な人型に点滅する電球を取り付けた《舞台服》や、前面を点滅する電球で覆った人型・十字型の作品を展示。同年、大原会館（東京）での第2回具体美術展では、電球とネオン管で構成された衣服型の作品《電気服（Electric Dress）》を発表する。
- 1957
- 「Gutai Art on the Stage」（大阪・産経会館ホール／東京・産経ホール）において、3着の《電気服》を用いたパフォーマンス作品《舞台服》をはじめ、色や形が予期せぬかたちで変化する舞台衣装による作品を発表。この頃から、絡み合う電球と電線のイメージを二次元のドローイングへと展開するスタイルを確立していく。
- 1963
- 大阪の具体ピナコテカにて「田中敦子個展」が開催される。《電気服》や《Three Black Balls》から着想を得たドローイング作品などが出品される。
- 1964
- 《Thanks, Sam》が「Guggenheim International Award」展に出品される。
- 1964
- （グッゲンハイム美術館／ニューヨーク）。第6回日本国際美術展（東京都美術館ほか）において、《無題》が優秀賞を受賞。
- 1965
- 「The New Japanese Painting and Sculpture」展がサンフランシスコ近代美術館を皮切りに、ニューヨーク近代美術館などアメリカ各地の美術館を巡回。《無題（1964）》がニューヨーク近代美術館に収蔵される。田中と金山は具体美術協会を退会。この頃体調を崩しており、支えとなっていた金山と後に結婚する。
- 1968
- 淡路島にて、砂浜に線を描くパフォーマンス作品《Round on Sand》を上演。
- 1972
- 静かな制作環境を求め、大阪市から奈良県高市郡明日香村へ移り住む。
- 1986
- 展覧会「Japon des avant gardes, 1910 - 1970」（ポンピドゥー・センター／パリ）に、《作品（ベル）》や《電気服》から着想を得たドローイングなどが出品される。
- 1993
- ピンクのレーヨンを用いた作品などを、第45回ヴェネチア・ビエンナーレ「Passage to Orient」に出品。
- 2001
- 初の大規模回顧展「Atsuko Tanaka: Search for an Unknown」が芦屋市立美術博物館で開催される。その後、静岡県立美術館（静岡）に巡回。ピンクのレーヨン作品、《作品（ベル）》、《舞台服》、十字型作品の4点が再制作された。
- 2005
- 奈良市にて肺炎のため逝去。
- 2007
- ピンクのレーヨン作品や《Electric Dress》などが、ドクメンタ12（フリデリチアヌム美術館／ドイツ）で展示される。
- 2008
- 《作品（ベル）》や《Spring 1966》が第16回シドニー・ビエンナーレ「Revolutions - Forms That Turn」（ニューサウスウェールズ州立美術館ほか）に出品される。さらに、展覧会「Rose is a Rose is a Rose: Yayoi Kusama, Atsuko Tanaka, Tsuruko Yamazaki」（Foundation De Elf Lijnen／オウデンブルフ、ベルギー）において《作品（ベル）》などが展示される。
- 2009
- 壁面に吊るされた《Pink Rayon》および《作品（ベル）》が、第53回ヴェネチア・ビエンナーレで紹介される。
- 2011-12
- 大回顧展「Atsuko Tanaka: The Art of Connecting」（Ikon Gallery／バーミンガム、英国、Espai d'Art Contemporani de Castello／スペイン、東京都現代美術館）開催。〈カレンダー〉、《作品（ベル）》、《Electric Dress》をはじめとする約100点の代表作が出品される。