美しさと危険の匂い、官能的または気品の高い豹の存在。強烈の両極端の性格を静かに一身に宿す豹の野性魅力に惹かれる。何がいいかよりは全てがいいと思う。
莊子の「逍遙遊(ショウヨウユウ)」は「鵬鯤(ホウコン)」の神話から始まり、とんでもない雄大な宇宙観が驚くほど展開している。「逍遙遊」には、怪魚の「鯤(コン)」と怪鳥の「鵬(ホウ)」のような幻獣もあれば、平凡な蜩(ヒグラシ)や小鳩もある。荘子の斉物論(さいぶつろん)の観点から見れば、豹が出てきでもおかしくないだろう。「君子豹変」とか、古くからなかなかいい題材になっているではないか。