GUTAI DICTIONARY

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泡の彫刻(吉田稔郎)

具体では様々な素材を作品に利用するための工夫が作家により常に探求されていた。
吉田稔郎の作品は合成洗剤を水に溶かした洗剤液を入れた容器に電動ポンプで空気を送り込むことで泡を作り出すものである。洗剤の濃度、容器の高さ、ポンプの容量の組み合わせで様々な形態を作り出し、制作環境により変化する芸術作品としての泡が観客に提示された。具体は初期には、抽象表現主義やアンフォルメルの運動と呼応する作品が見られたが、具体がこれらの運動と大きく異なるのは、「科学技術の芸術への応用」という側面である。1960年代半ばからはその傾向が強まり、新しいメンバーは科学技術を使った作品を手掛けることが多くなって行く。

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