この度、ホワイトストーン・ギャラリー銀座本館では、木梨アイネ(1929-1986)、名坂千吉郎(1923-2014)、猪熊克芳(1954-2025)による「ブルー」という色彩に特化した3人展、『Deep into the Blue―蒼の深層へ』を開催いたします。

日本人と「ブルー」(蒼、碧、青)との関わりは深く、6世紀の仏教伝来期、薬師瑠璃光如来にまでさかのぼる。瑠璃、すなわちラピスラズリはその後、正倉院の宝物を彩り、色彩としての瑠璃色は『竹取物語』や『源氏物語』などの古典文学でも言及され、やがて衣服の「藍染め」として戦国時代の武将や江戸時代の町人の日常に深く浸透してゆく。陶器の染付けや北斎の浮世絵など、その後「ジャパン・ブルー」として色彩が認知されてゆくプロセスは、まさにひとつの文化史を成す。

とりわけ、日本人の繊細な色彩感覚が培われる発端となったのが、江戸時代に多方面で発令された「奢侈禁止令」である。衣服においても華美な色彩の着用が禁止され、町人は許された「藍色」を中心とした地味色(茶、鼠)の範囲内で、「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」と称される最大限のヴァリエーションを開拓。微妙な差異を感知し尊ぶ「粋」の精神の誕生である。

さて、今展に目を向けてみれば;

深海を思わせるダイナミックなブルーのうねりに、音楽的な律動が持続する木梨アイネ

日本画から出発しながらも40歳で洋画へ転向、重層的な色彩のマチエールが様々な心象を呼び覚ます名坂千吉郎

そして、「心の最も奥深くまで届く色」として独自の「ウルトラマリン・ブルー」を極めた猪熊克芳

3人の巨匠による、磨き抜かれた現代の「蒼の系譜」をお楽しみください。

盛夏の東京にて、皆様のご来廊をお待ち申し上げます。

Ginza Gallery

東京都中央区銀座5-1-10
Tel: +81 (0)3 3574 6161
Fax: +81 (0)3 3574 9430
11:00 - 19:00, Sun. 11:00 - 17:00
Closed: Monday
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