K. Tsai CAI Solo Exhibition: Always for You

Taipei

2022.12.16 – 2023.02.04

INTRODUCTION

「言葉」は私たちの人生において重要な役割を担っていますが、生活の中で言葉を意識する機会は多くありません。本展は「静かな言葉を求め、その言葉が生活の中でどのように表現されているかを探り、言葉と自分との関係性を体験する」という、作家や司会者として長年活躍してきた蔡氏の考えがコンセプトになっています。

作家は言葉を使う人の多くが、もはや言葉の有り難みを感じなくなってしまっていると考えています。言葉はかけがえのないものであり、大切にしなければならないもの。言葉を乱暴に使う人に、言葉は力を与えてくれない。 蔡氏はまた「リラックスできて自然と心が休まるような言葉と文章を探したい」とも語ります。初めて出会う言葉ではなく、いつかどこかで出会っていた言葉にキャンバスの上で再会する。その言葉はパスワードのように、入力することで新たな感動をもたらしてくれるでしょう。

蔡氏は真面目に生きている人たちのために作品を作っています。作品を通して、鑑賞者自身を理解して欲しいと切望しています。混沌や混乱ではなく、心安らぐ時間を過ごしてもらいたい。人の心の琴線に触れるような作品を作りたい。かわいい絵、素敵な絵は素晴らしいけれど、多くの人にとってそれはかわいくも素敵でもない。「かわいくもなく、偉くもない。だけど一生懸命生きている人たちのために、作品を作りたい。言葉は生きるための道具ですが、魂のお守りでもあるのです」と作家は語るのです。

K. Tsai CAI

蔡康永の創作活動

本展は、蔡康永(K. Tsai CAI)にとって初めての展覧会ではありません。2005年より蔡國強と「 Trading Place」プロジェクトを展開し、村上隆のGEISAI MUSEUMのコンペティションには審査員として招聘されました。また、人気ロックバンド・Maydayのボーカル・ASHIN(阿信)による「One Carat Dream」展に参加し、ビデオ作品を含む2つのインスタレーション作品を制作。アート コラムへの執筆も行っており、現代美術を論じた書籍『蔡康永と絵画を買う友』が出版されるなど、アート界での精力的な活動が、今展の「K. Tsai CAI Solo Exhibition: Always for You」に繋がっています。

言葉を普通に扱うのをやめる

言葉は私たちの生活において重要な役割を担っているが、私たちはそれを意識していないだけ。 インターネット上に記事の “見出し” が乱立しているのは、言葉の力がいかに強力であるかを大いに物語っている。しかしながら、言葉を乱用したことで、私たちは言葉の真価を見失ってしまう。 言葉が強力な装置であることを知っていながら、その一方で、その目的に対して無感覚になってしまっているのだ。

人生を見つめ直す言葉を探して

静かな言葉を探しているのです。言葉という存在との関係を再構築できるような言葉を。
生命力や情熱にあふれた作品はたくさんありますが、私が伝えたいのは「静寂」です。日常生活の中には、あまりにも身近すぎて、その存在を見失ってしまう言葉や言い回しがある。親密さを捨てて少しは他人事にしてあげたい。文章は他から切り離されて孤立しているときに、その言葉がもつ魅力が最大限に発揮されるから。
私は春の連歌や書初めの言葉ではなく、自分の人生を噛みしめるような言葉を探しています。抗議の言葉は私たちに怒りを覚えさせ、広告の言葉は私たちにお金を使わせる。
では、私たちに何も要求しない言葉はどうだろう? 丁重に扱うに値するのではないだろうか?

休息と再会を促す言葉に目を留める

言葉の情感を大切にしなくなった人が多い。言葉は貴重なものであり、大切にしたいものです。 罵倒されるように使い倒された言葉は、最後にはその人たちに何の効力も与えません。この展覧会では文字をモチーフにした作品が展示されています。しかし、みなさんは初めてこの 言葉に出会うのではありません。この言葉に再会するために来たのです。 会社、学校、スポーツジム、いたるところに「頑張れ」という言葉が溢れています。私は「休め」という言葉やフレーズを探したいのです。 あなたの大切な鍵を開ける、人生のどこかで入力したパスワードのような。

苦しんでいる人にこそ、作品を通じて自分自身を知ってほしい

作品を通して私を知ってほしいとは思っていません。 作品を通して皆さん自身を知ってほしいと願っています。 私が何を伝えたいのか分からなくて不安になるのではなく、安心して見ていただきたいのです。 作品に何が描かれているのか分からなくて不安に思うのではなく、安心感を感じてほしい。 心が疲弊するような作品ではなく、心が温かくなるような作品を作りたい。素敵な絵、壮大な絵は素晴らしい。しかし、その多くは鑑賞者に親近感を感じさせません。 毎日コツコツと地道に、一生懸命に頑張っている人のために、作品を作りたい。言葉は生きるために必要不可欠な道具ですが、それ以上に心に栄養を与えるスープなのです。

台北の名司会者・蔡康永の初個展

INTERVIEW

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ABOUT

K. Tsai CAI

K. Tsai CAI Solo Exhibition: Always for You
2022.12.16 – 2023.02.04

台北

1F, No.1, Jihu Rd., Neihu Dist., Taipei City, 114, Taiwan (R.O.C)
Tel: +886 2 8751 1185
Fax: +886 2 8751 1175
Opening Hours: 11:00 - 19:00
Closed: 日曜、月曜、祝祭日
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春節休廊のお知らせ

ホワイトストーンギャラリー台北は下記期間において閉館致します。
2023.01.19~ 2023.1.30
*1月31日に再開

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