フェアに響く共鳴

キアフ・ソウル(Kiaf Seoul)は今年、9月3日から7日まで開催され、世界20カ国以上から175のギャラリーが参加した。今年のテーマは「共鳴（Resonance）」で、芸術の回復力と変革力を強調し、ギャラリー、アーティスト、コレクター、そしてパートナー機関が対話し、真のつながりを育み、持続可能な成長を促進できる場を創出した。これは第24回目の開催で、COEXコンベンションセンターの1階で4年連続で開催され、3階ではフリーズ・ソウル（Frieze Seoul）が同時開催された。また、今年のアートフェアはソウル・アート・ウィークと同時期に行われ、ソウル中の人々が市内各所で様々なアート関連イベントを楽しむことができた。

ホワイトストーンの注目作家たち

ホワイトストーン・ギャラリーのブース

ホワイトストーン・ギャラリーは今年、来場者をブースA11に招待し、小松美羽、アヒ・チョイ、キム・ドッカン、塩沢かれん、チェン・インジー、スニク・クォン、ファン・ピン・トンの作品を、後述する本レポートで紹介する他のアーティストとともに展示した。

ホワイトストーン・ギャラリーは、ソウルでの初個展の成功から間もないアルタ・スープの作品へと招待した。彼の作品は「ゼロ」という、虚無から生まれた包帯を巻いたウサギのキャラクターを特徴とし、変容と感情の回復力を象徴している。新たに所属することになった2人のアーティスト、キャロリン・デネルヴォとヘンリク・A・ウルダレンの作品も、ブースで大きな注目を集めた。両者ともこのフェアと同時期に個展を開催しており、それぞれソウルでの展示作品の中から1点をキアフで展示した。

ホワイトストーン・ギャラリーのブース

9月3日のVIPデーには数百人の来場者が訪れ、多くの人が弊ギャラリーのブースに立ち寄った。韓国のファーストレディであるキム・ヘギョン大韓民国大統領夫人がフェアを巡回したこともあり、会場は興奮に包まれていた。

特に人気だったのは、イ・ジェヒョンとMANEという2人の韓国人アーティストで、VIPオープニングデーには彼らの作品の多くが支持を集めた。韓国人アーティストのMANEは、2025年10月に東京のホワイトストーン・ギャラリー銀座新館で初の個展を開催する予定となっている。フェアでは彼の作品3点がすべて早々に完売するなど、コレクターから強い関心が寄せられ、彼の次回の個展で発表される新作への期待の高さを示している。

MANE

ブースには複数の作家が訪れ、コレクターと直接交流する貴重な機会となった。スニク・クウォン、キム・ドッカン、ヘンリク・A・ウルダレン、キャロリン・デネルヴォ、アヒ・チョイ、チョン・へユン、Lee Chaeが、展示されている作品についてコレクターと語り合った。また、パク・ギウンやフィリップ・コルバートなどの、ギャラリーと交流のあるアーティストも来訪した。

ソウルでの催しと印象

キム・ドッカン

今年のキアフのイベントの一環として、「Kiaf X Marie Claire ARTVERSE A-Day & night」が開催された。日中は、キアフハイライトセクションで選ばれたアーティストによるアートトークとともに、韓国のメディアアート展を楽しめた。午後6時30分からはキアフ・ソウルアートウィークオープニングパーティーが開催され、食事や飲み物、DJパフォーマンスとともに、メディアインスタレーションを引き続き楽しむことができた。イベントはソウル中心部に位置する美しい新羅ホテルで開催され、伝統的な韓屋（ハノク）を背景にしていた。

キアフ・ソウル2025

キアフ・ソウル2025は、世界中からギャラリー、アーティスト、コレクター、そして芸術愛好家たちが集まる、刺激的でダイナミックな一週間となった。ホワイトストーン・ギャラリーにとっては、確立された名アーティストと刺激的な新しい作家の両方を紹介しながら、コレクターや機関との関係を深める意義深い機会となった。フェアのエネルギーとソウルの活気あるアートウィークのプログラムが相まって、この都市の文化的な場の強さだけでなく、国際的な規模での現代アートの共鳴の高まりを感じられた。