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Aruta Soupのパブリックアートが渋谷に出現
2026.05.27
INTERVIEW
東京・渋谷のカルチャーを静かに見守ってきたヴィンテージビル「Jinnan Valley」。その壁面に突如現れたのが、壁を破って世界へ飛び出そうとするウサギのキャラクター「ZERO」だ。
生みの親は、エッジの効いたグラフィティ・アートをバックグラウンドに持ち、注目を集める現代アーティスト、Aruta Soup。彼がこのストリートに仕掛けたアートの背景にある想いとは? 制作のきっかけから作品のテーマ、そしてキャンバス画とグラフィティの境界線に迫る。
ー今回のパブリックアートのきっかけは?
Aruta Soup: 僕には渡英した頃からの長い友人がいるのですが、以前から「いつか一緒に何かやりたいね」と話していました。そして今回、彼にクライアントと繋いで頂き、共にプロジェクトを進行する事になりました。とても感謝しています。
ー今回の作品のテーマは?
Aruta: Jinnan ValleyのコンセプトがVintage & Streetなので、フィルインのカラーは暖色、パステルを使用し、アウトラインはチャコールで都市に柔らかい印象を持たせられるように心がけています。モチーフはレタリングとキャラクターの組み合わせなので、読み解ける人にも楽しんでもらえると考えてます。
館内はJinnan Valleyさんにモノクロームのアートワークを提供していますので、壁画との対比を楽しんでもらえたら嬉しいです。

製作中の様子
ーこれまでも国内外で数々の壁に描かれていましたが、壁画はキャンバスなどに描くこととはどう違いますか?
Aruta: 偶発性が、壁画とキャンバスとの違いだと考えています。例えば、角を曲がったら昨日は殺風景な壁だったのに、今日は派手な何かが描いてある!といった、作品との出合い方に相違点があって面白いですよね。
あとは何処の国でも発生するのですが、描いたばかりの壁画の上にタグを打たれてしまうとか、ストリートならではのインシデントも起きます。キャンバス作品はギャラリーに入らない事には一般の人は見られないので、例外を除いてそういったことはないと思います。
また、必然的に外で描いてることが多いので、ローカルの人との距離感は近くなりますね。グラフフェスで仲良くなったローカルライターと一時的にタッグを組んでペイントしに行くことが楽しいです。
昔、ベルリンでピース(壁画)を描いてた時に、僕のレターがSOUPなので、現地のキッズ達が「あなたは1UP clueなの?」って聞いてきたんです。僕が「違うよ」と答えたら、キッズが「でもとりあえずアジア人のライターは初めてみたからサイン欲しい」と言うからTシャツにタグを描いてあげた事がありました。するとキッズ達は「僕達は大きくなったら1UP clueに入れて貰うんだ」と言いながら3人でグラフィティを描き出したんですよ、"1UP"って。あの光景は鮮明に覚えています。
上のキッズ達を例に挙げたように、壁画には初期衝動と瞬発力が何より大切だと思うし、国によってはグラフィティライターはダークヒーローでもあります。そして僕も壁画の強さと儚さにずっと魅せられている1人です。
ー出来上がった作品をどう見てもらいたいですか?
Aruta: 静かに街に溶け込んでほしいですね。誰かとの待ち合わせに使って貰うくらいのカジュアルさがいいと思っています。僕個人だけというより、渋谷にストリートアートが増えていくことで、行政側に壁画の良さ、面白さに気付いてもらえたらとも考えています。海外のように日本の都市部にもリーガルウォール(描く事を許可された壁)が増えていけば、楽しい未来があると思います。

製作中の様子