ホワイトストーンギャラリー銀座新館では、岡田修二の個展『立花』を開催いたします。今展は、近年開始した「立花」シリーズによる初の個展となります。
岡田は元来、生物とその環境、民族学や人類学などに関心を持っており、芸術を生態学的に転換することで様々な表現を試みてきました。制作の多くはフィールドワークを起点にし、自然の形態から力を引き出す独自のリアリズムを探求しています。人間中心主義を超え、未だ隠された世界にある豊穣さを顕在化させること。ザラザラした世界との交錯をとおし、感覚の回路を開くこと。そのような技術こそ、岡田が追求する芸術なのです。

新シリーズ「立花」は、小さな花や野草がモチーフです。日本の伝統芸術であるいけばなから着想を得ました。テーマは「花を依り代として凛々しく立てること」。そして、そのささやかな植物たちに神々しい偉容を与えるべく、大きく映像的に描かれます。アニミズム的行為性や祭礼的儀式性との連関が見て取れるでしょう。

このような岡田の絵画表現は、写実的でありながらユニークさと現代性を併せ持ちます。環境の時代にふさわしい現代における自然美学の実践であると同時に、日本文化の精神性を表現する新しい試みでもあるのです。今展では、総合経済誌『ニューリーダー』2019年度表紙掲載作品12点と共に、最新の大作も併せて展示します。色とりどりの花々に包まれるゴージャスな空間をぜひ体感して頂きたく、ご案内申し上げます。
 

岡田修二
1959年香川県生まれ。愛知県立芸術大学大学院修了ののち、株式会社電通に勤務。2007年京都市立芸術大学大学院博士(後期)課程修了。博士論文にて梅原賞。滋賀県立近代美術館、大原美術館(岡山)などで大規模な個展を開催。セゾン現代美術館(長野)「ART TODAY 2009」にて2人展。近年のグループ展に、2017年「ニッポンの写実 そっくりの魔力~Realism Art in Japan」(北海道立函館美術館、豊橋市美術博物館、奈良県立美術館)などがある。第2回上野の森美術館大賞展特別優秀賞、VOCA展’98奨励賞、ダイワファウンデーションアワード(ロンドン)など受賞歴多数。上野の森美術館(東京)、大原美術館、セゾン現代美術館、文化庁、滋賀県立近代美術館、高松市美術館、大阪府 、ミホ・ミュージアム(滋賀)、愛知県立芸術大学芸術資料館、 第一生命保険相互会社(東京)などに多くの作品がパブリックコレクションとして収蔵されている。ニューヨークADC国際会員、京都大学こころの未来研究センター共同研究員、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ客員フェローなどを歴任。 現在、成安造形大学教授・学長。