ホワイトストーン銀座ニューギャラリーは、フィリピン気鋭のアーティスト、ロナルド・ヴェンチューラの個展『コミック・ライブス』を開催いたします。今展は日本における作家初の個展となります。

1973年フィリピンのマニラに生まれ、現在も彼の地に住んで制作を続けるロナルド・ヴェンチューラは、同世代のアーティストのなかでは東南アジア全域で最も高評価を受けているひとりです。ヴェンチューラの絵画と彫刻は、その比喩的なモチーフの連鎖とともに、東南アジアの現代美術シーンで異彩を放っています。彼の作品は、そのイメージとスタイルの複雑なレイヤー(層)を特徴としており、超現実主義から漫画、落書きまでモチーフは多岐にわたります。作品におけるレイヤー化のプロセスには、フィリピンという国家の多様なアイデンティティが隠喩となっています。土着の文化とともに、何世紀にもわたり様々な国—スペイン・日本・アメリカ合衆国—占領されてきた根深い影響は複雑な、時として不安定なアイデンティティを生み出しました。ヴェンチューラはこの歴史的・心理的な現象を、東洋と西洋・社会的身分の高低・老いと若さ、といったイメージを喚起しながら掘り下げてゆきます。これらは、作品中での古典絵画の大家や日米の漫画などの仄めかしにも見て取れます。ヴェンチューラは、我々が知らず知らずのうちに身につけている「文化のシニフィエ(意味するもの)」という「第二の皮膚」を注視、皮膚を「表現的な表面」をみなします。そこはタトゥーが彫られていたり、イメージの連鎖のもとに隠されていたり、内面に抱える幻想や葛藤が露わになる場であるのです。

今展で作家が投げかけるのは、「人々は以前よりコミカルな生活を送っているのか」、あるいは「コミック本は人々の生活のなかで血肉化されているのか」という問いです。これらの問いは、作家自身が現代の実存—速度・瞬間性や当惑・アニメーション—をどのように解釈しているかの現れです。対極にある文化としてのアメリカだけでなく、意図的に「ナルト」や「ポケモン」といった日本のポップ・カルチャーへ言及し、現代社会に横行する文化の重複を探ります。また、「絵文字」を絵画のひとつに落とし込み、これらが我々のコミュニケーションの在り方にいかに侵入しているかを示します。イメージの力・言語の無常・現実の重層化への証なのです。

  • Comic Lives 11
    2018
    Oil on canvas
    40.6 × 30.5 ㎝

  • Comic Lives 1
    2018
    Oil on canvas
    182.9 × 121.9 ㎝

  • Comic Lives 3
    2018
    Oil on canvas
    121.9 × 182.9 ㎝

  • Comic Lives 11
    2018
    Oil on canvas
    40.6 × 30.5 ㎝
  • Comic Lives 1
    2018
    Oil on canvas
    182.9 × 121.9 ㎝
  • Comic Lives 3
    2018
    Oil on canvas
    121.9 × 182.9 ㎝