ホワイトストーン・ギャラリー銀座新館は、アジアの抽象美術の巡回展開催いたします。今展では、第二次大戦後に日本で生まれた具体美術協会と1980年代後半に中国で発表された抽象絵画とを繋げます。
具体美術協会は第二次大戦後の日本美術の代表格です。具体アーティストは西洋の表現主義と通底するところがあります。絵画の伝統を破壊し、イメージを再構成し、フィジカルな形式を精神的表象へと昇華させます。彼らはその創造的プロセスをパフォーマンスとし、物質性とそれを取り巻く環境とのダイアローグの場とみなします。協会を代表する女性アーティストである田中敦子は1956年に『エレクトリック・ドレス』を発表し、国際シーンを賑わせました。彼女はまた、明瞭なラインと円をカンヴァスに張った紙の表面に書きつけ、人とモノとの間にあるヴァイブレーションを表現しました。前川強は、上野で見つけた古代の陶器の紋様にインスパイアされ、麻布をカンヴァスに縫い込み、そのうえに豊かな色彩を施します。彼は芸術家人生を通して麻布を用い、麻布は作家の代名詞ともいえます。
中国の抽象絵画は、1980年代の『改造と始まり』後に始動しました。アーティストはプロパガンダや社会的リアリズムと決別、西洋の哲学と美学に影響され、それらを模倣したり、言及を繰り返すことで絵画のなかに己の文化を見つけ出そうとしました。ディン・イ(丁乙)は中国の抽象絵画のパイオニアと見なされています。漢字『十』とその変化形の『X』は彼のシリーズにおいて代表的なシンボルです。イの作品は当時、越境的なだけでなく古典の社会政治的な寓話にまで対峙するものでした。2000年には、ズ・ジンシが絵画へ回帰。しかしながら、その厚塗りの技法は絵画そのものに敵対することとなりました。一筆一筆を重ねていくことにより、分厚いカラーブロックを創り出し、彫刻的効果を産み出しました。1980年代の抽象化のコンセプトを解体することにより、中国抽象画の新たな一章がスタートしたのです。
今展の目的は、第二次世界大戦後の抽象画界で重要な地位を占めたアーティストの作品群を展示することにより、東アジアの抽象美術の発展を解析し展望することにあります。東京での展示は3月16日から4月4日まで、ホワイトストーン・ギャラリー銀座新館にて行われます。

展示作家:
Chen Wenji / Yu Youhan / Ding Yi / Shang Yang / Tan Ping / Zhu Jinshi / 前川強 / 田中敦子