ホワイトストーンギャラリー銀座本館では、婁正綱展を開催致します。

婁正綱は1966年中国・黒竜江省生まれ、物心ついた頃から優れた美術教育を受け、10代の頃にはすでに中国美術の伝統である水墨画の奥義を体得。のちに西洋美術へとフィールドを広げ、香港・ニューヨークなどにも滞在し、最先端のコンテンポラリーアートを学びます。1986年からは日本に拠点を移し、30年の研鑽の末、中国の伝統をふまえた新しい次元のコンテンポラリーアートへと到達しました。

西洋美術はギリシャに端を発し、ルネサンスを経て、様々な美術潮流を生み、印象派からダダイズムを契機として、コンテンポラリーアートへと繋がっていきます。一方で中国美術は、インド仏教美術を取り入れつつ、諸王朝の盛衰に翻弄されながらも5000年に亘り独自の美術を醸成、開花させてきました。それが頂点に達したのが宋・元の時代の美術といわれています。宋元画は室町時代に雪舟などにより日本にもたらされ、江戸時代の狩野派画家の模範となり、日本美術史の根幹を形作りました。

欧米のコンテンポラリーアートが世界を席巻してわずか50年余りなのに対し、中国の宋元画は1000年の時を超えて不朽の光を放ち続けているのです。婁正綱の芸術は東洋の叡智が西洋美術の行き詰まりを克服した新時代のアートと言えましょう。

今展では小品から大作まで最新作50余点を一堂に展観いたします。有史以来の日中文化交流の長い歴史の中でも特筆に値する展覧会となることでしょう。ご高覧を賜りますようご案内申し上げます。