春は、生まれたばかりの赤子のように、全身全霊で成長する。
春は、ゴージャスに着飾り、微笑みながら歩く少女のよう。
春は、力強い腕と腰足を持つ青年のように、私たちを前進させる。
朱自清

2020年の目下、世界は平穏ではありませんが、春はしっかりとした足取りで巡ってまいりました。著名なエッセイストである朱自清は、その散文「春」において、春は暖かい気候と満開の花でもって世界を生き返らせると語っています。現在、ホワイトストーンギャラリー台北では、グループ展「春のアクセント:日本の現代美術」を開催中です。活力と春の空気に満ちた9人の作家の絵画と立体作品を展示しております。

河口洋一郎が発案した宇宙生物「エギー」は、あらゆる形態や色を有しています。エギーの表面の漆は明るく、柔らかく繊細な色合いです。ピンクと桜の模様のエギーは、春の地球のエネルギーを吸収し、反映させます。鮮やかな構図と色の猫が登場する西村達也の作品シリーズは、猫のあらゆる姿態を表現します。猫を中心に据えた作品を展開する國司華子は日本画の技法を用いた個性的で大胆な絵画で、猫の怠惰さを描きます。綿引信子は、被写体を非常にシンプルな形態で和紙に描き、無垢な感性と哀しみを湛えた虚無感を映し出します。

硬く濁ったセメント上に現れる色彩豊かなエポキシ樹脂、その逆境にあらがう強固な活力によって、ARTIST miuは現代人に「希望」を植え付けたいと願います。土屋仁応が伝統的な仏教の彫刻技法で作る乳白色の動物と不思議な生き物は、クリスタルで装飾された神秘的で生き生きと眼差しとともに柔らかな線と繊細な質感を特徴とします。呉亜沙の作品は、早春のおとぎ話のようなドリーミーな雰囲気をピンクグリーンのなかに落とし込み、描かれたウサギは哀しみと寂寥感をえぐり出します。

Icco YOSHIMURAは、生家がレストランを経営していたことから、食への関心とともに成長しました。描かれる色彩豊かな食材と花は、鑑賞者をうららかな春の宴へと誘います。 2019年のThe Sovereign Asian Art Prizeで最年少のファイナリストとなった江上越の作品は、その越境的な留学経験をもとに、人間のコミュニケーションモデルを再考します。そのモデルは抽象的なものであれ、作品との鑑賞者との間に横たわる距離に応じて変化します。

政府の感染防止条例により、今展ではオープニングレセプションは行いません。
会期中の皆さまのご来廊を心よりお待ち申し上げます。

展示作家:
河口洋一郎 / 西村達也 / 綿引展子 / 國司華子 / ARTIST miu / 土屋仁応 / 呉亜沙 / 吉村郁子 / 江上越