日本の戦後期の最も傑出したアヴァンギャルド美術集団である「具体美術協会」は、異なる文化や主義の越境において功績を遺し、日本の美術が世界のシーンで認知度を広げることに貢献しました。具体に所属したアーティストたちは、因襲的な美術の限界に挑み続けます。タブローから三次元へ、屋内から野外へ、ひいては大空へと絵画を開放。具体美術協会の主義は、アーティストたちを新たなフォームや技術へと駆り立て、それらを混淆させ、見たこともないような表象形式を現出させたのです。

具体の共同設立者であり、協会機関誌の発行人、そして後のAUのリーダーとなる嶋本昭三は、協会が国際的なネットワークを構築することに貢献。著名な抽象表現主義作家であるジャクソン・ポロックや、メールアートの創始者であるレイ・ジョンソンとの関係づくりを推進しました。レイ・ジョンソンとの交流は1962年頃すでに始まっています。メールアートの概念とは、地域間の境界やアーティストと観客との距離感を縮めることにあり、これは具体の信条とも共鳴するものです。

嶋本昭三と13人のAUメンバーの作品群を併せて展示することにより、嶋本から若い世代へと受け継がれている具体精神の有りように肉迫します。本展示が日本と世界との新たな対話を切り拓く機会となることを確信しております。