この度ホワイトストーン・ギャラリー台北では、神木佐知子による個展『Tetrad』を開催いたします。神木佐知子は1991年東京に生まれ、2017年女子美術大学大学院洋画専攻博士前期課程を修了、優秀な学生に授与される大久保婦久子賞を受賞しています。台湾では初めての個展となる今展では、18点の新作も展覧いたします。

今展のタイトルは、2組の補色関係としても知られる色彩学用語から、「Tetrad」(4色配合)」と名づけられました。タイトルが示すのは、色相環上の2組の二重補色の4色であり、それらは元来互いに反発しあう強烈な色彩です。Tetradの配色法に則った調和的かつカラフルな図面は、神木佐知子の構図と色使いにも適合します。神木作品の独立し鮮やかで反復的な要素は、この世界のすべてを構成する分子のようなものであり、肉眼で捉えられた独特のヴィジョンでもあるのです。

神木佐知子は長い間、その作品を通し、社会の現状や個人の存在、互いに領域を侵しあう関係性について、さまざまな問題を提起してきました。たとえば、「赤 = 女性」や「青 = 男性」などの色観は、ジェンダーに基づく一般的な固定概念です。今展においても、神木は多様な作品を通じこれらのテーマに挑みます。“Love begets love”における男性と女性の登場人物は、それぞれ典型的な外形上の特徴を持ち、色彩もそれに準じます。しかしながら、寓話的あるいは形而上の内的な肉体はその真逆をいくものです。女性の身体はブルーで線描され、対照的に男性の身体には赤が使われているのです。作家が静かに語りかけるのは、ジェンダー観というものがいかに世俗的であるかということです。神木作品をもっとも象徴する要素は植物相と緑であり、それらは人生のサイクルを表し、人生は有限であることを想起させます。その日を掴み、現時を愛すこと。なぜならそれは厄災や死から逃れた貴重な時間なのだから。

今回展示されている作品には、世界がより寛容さに満ち、自己と相反する意見も併せのみ、少しずつでも互いに歩み寄ることができれば、という作家の願いが込められています。それは、すべての物体や個人の基調となる本質は保たれたまま、互いを浸すことなく、調和のとれたイメージと世界を形成するTetradの理論と通底するのです。