「誰であれ、生きている限り幸福だとはいえない」 (ギリシャの格言)

ホワイトストーン・ギャラリー台北は、ファン・ユーシンの台湾初の個展である『黄金の王国』を開催致します。今展では作家の新境地を色濃く反映した新作15点を展示致します。会期は2018年4月14日から5月13日まで。

ファン・ユーシンは1975年北京生まれ。2000年に中央美術学院壁画科を卒業し、現在も北京に住み続けています。ユーシンは蛍光色の明滅を用いて人生における様々な段階を表現。作家いわく、蛍光色には濃縮された、高い喚起力のあるバイタリティが宿っているようです。作品はデフォルメ・反復された個別の要素、或いは再構築・統合された複数の要素とで構成されています。ユーシンは絶えず新たな視覚体験を作品に持ち込もうとしますが、創造の根底を成しているのは「他者への理解」という概念です。

最近の作品で、ユーシンが着目するのが「永遠の時間のサイクル」と「人間の複雑さ」との間にある内的な緊張感です。人類の歴史の長きにわたり、「黄金の王国」と冠された数多くの偉大な文明がある一方で、この呼称はまた、私たちが生きるこの時代のメタファーともなっています。もとより、すべての「黄金の王国」は没落し無に帰する運命にあり、それは人間の堕落に端を発しているのです。

このように「人間」のイメージは再びファン・ユーシンのカンヴァスに登場し、私たちの眼を捉えます。もし人間の肉体が不死という限界から逃れられないのならば、個人の選択というものは果たして意味を持つのか。そのような限界は依然として人間存在の礎石になりうるのか。ほろ苦いこれらの問いを前に、『黄金の王国』は、私たちにある種の示唆や理解を与えてくれつつ、静謐な閉塞へと向かって光を投げかけているかのようです。