ホワイトストーン・ギャラリー台北は、10月6日から11月11日まで国際的に著名なアーティストであるフロレンティン・ホフマン(1977年オランダ生まれ)の個展を開催致します。今展『プレイ・アラウンド・ワールド』はホワイトストーン・ギャラリー香港で今年の5月に開催されており、好評を博しました。ホフマンにとってはアジアのギャラリーでの初の個展でもありました。ホフマンは「ラバー・ダック」(2007)や「ヒポポタムス」(2014)など、その大規模なインスタレーションで知られており、今展ではギャラリー用に採寸しなおしたこれらのインスタレーションだけでなく、香港で発表された「ライン」、今回の台北で初披露となる「グラス・アイズ」の両シリーズも台湾の皆様に驚きを与えてくれることでしょう。これら一連のフレッシュな作品は、どのようにホフマンが形とマテリアルから美を引きだしているかを明らかにすることでしょう。

2007年の発表以来、ホフマンの「ラバー・ダック」は文字通り世界中を旅し、フランスからブラジル、日本、ニュージーランド、香港などに寄港しました。2013年、ラバー・ダックは台湾の主要都市、高雄・桃園・基隆を訪れ、6万人以上の観客を動員。国際都市の港でありえない大きさで浮遊する、日常的オブジェとしての「ラバー・ダック」は人々の注目を否が応でも集めてきました。ホフマンによれば、公共の場所に巨大なサイズの彫刻は、人々のアートへのアクセスを容易にし、楽しみながら体験し、観る人が所属する国や地域に寄らず彼らの子供時代の楽しい記憶を呼覚ましてくれます。ホフマンが目指すのはインタラクティヴ(相互作用的)で、人々との対話を創り出すアートであり、事実、多くの作品が人々に和をもたらしています。

また、社会参加や観客とのインタラクション(相互作用)はホフマンの制作プロセスの重要な部分を占めています。公共の彫刻プロジェクトを行うときには、ホフマンは地元の文化・環境、その地域にゆかりの深いマテリアル使いを考察します。「フリップ・フラップ・モンキー」プロジェクト(2010年:サンパウロ)はその好例で、ブラジルの文化と立地を即座に想起させる仕様となっています。地元の学生とともに一万足もの明るい色彩のビーチサンダルを結びつけ、15メートルものサルがサンパウロの公園の木の下で休んでいる、という構図が出来上がりました。

「ラバー・ダック」や「フリップ・フラップ・モンキー」といった国際プロジェクトをギャラリー空間に持ち込むことが、今展『プレイ・アラウンド・ワールド』の中心をなすアイディアです。もとは世界中の地域の特徴を盛りこんで制作された彫刻とセラミック作品を並置することにより、ギャラリー空間に各地の記憶を蘇らせ、観客とのインタラクション(相互作用)を育みます。とりわけ、セラミックはその上品な光沢で、元となる作品をもっとも純粋な形で再現できるといいます。アジア初となるギャラリー個展にあたり、セラミックをマテリアルに選んだのは、それがアジアの重要な文化遺産でもあるからです。

さらに、近年のシリーズ「ライン」、「グラス・アイズ」からの新作も併せて展示されます。動物を描いたミニマリスティックな「ライン」で、ホフマンは「姿形の美」のエッセンスを追及しています。敢えて動物を主題とし、原寸よりかなり大きく制作したのは自然の脅威を強調するためです。チェコで制作された「グラス・アイズ」は、ホフマンによって拡大化された動物たちのみならず、観る人の魂をも反映しています。このアイディアは、元々はアムステルダムのスキポール空港における展示用に制作された「ペット」と題された巨大な犬と猫の創作物に由来しています。空港とはすべての人を迎え入れるホームであり、大きな瞳を持つふさふさした巨大な動物は、家で飼い主を待つペットを思い起こさせ、ドアの内側に足を踏み入れた途端リラックスしたムードに包まれるのです。「ライン」シリーズのように、ある種の要素を分解しつつも、単純化・純化された美的経験への作家の探求心が見て取れます。

ホフマンのこれまでのパブリック・インスタレーション作品と同様、ギャラリー展示となる今展『プレイ・アラウンド・ワールド』も、観る人をアート作品とのインタラクションへと誘う恰好の機会となることでしょう。ホフマンは10月6日(土)の午後4時に在廊、作家本人によるガイドツアーは翌10月7日(日)午後2時より挙行されます。「ミニ・ヒポポタムス」に好きな色で着色するライヴ・ペイントは、ギャラリーを訪れた人すべてが参加可能であり、ホフマンとの共同制作となります。

*今展にあたり、オランダ政府観光局様、後援のピックウィック&メルバ・プレミアム・クッキー様に感謝致します。