この度、ホワイトストーンギャラリー軽井沢では、岡西佑奈展『青曲』を開催致します。
7歳で書と出会って以降、25年間一心に格闘してきた岡西にとって、書とは「線の芸術」です。線には描く者の心がまやかしなく反映され、太さ・強弱・軽重・緩急などの「線の質」として立ち現れます。
書への取り組みは、広義には世界平和への願いを表現することへと繋がっています。青く輝く海に心の平安を見いだす岡西にとって、海が汚染されて久しい現況は忍びなく、いかに海の状態が人心へ影響を及ぼしているかに気がつきます。海洋の汚染は人の心の在りように作用し、平穏をかき乱し、憎悪を生み出し、戦争や犯罪へと繋がっているのではないか。さらに、生態系の破壊が海洋汚染の原因の一つであると提唱されているにも関わらず、魚類の頂点にいるサメが乱獲されているという現実。個体数の減少が深刻化しているサメに畏敬の念をもち、本来あるべき個体数を回復すること、それは作家にとって世界平和のための重要な第一歩なのです。
今展で岡西が発表する新シリーズのタイトル、「青曲」。作品では通常書で用いられる墨の代わりにアクリル絵具が用いられ、水深15mの海のなかで泳ぐサメの優雅であり時に獰猛な動きを、サメ本来の青みがかった灰色に光を写し、尊敬の念を込めたシルバーの曲線で表現しています。サメならではの雅致ある泳ぎに世界平和への願いを重ね、自身の書技でしか体現できない究極の線描で訴えかけてゆきます。
この貴重な機会を是非ご高覧下さいませ。