ホワイトストーン・ギャラリー軽井沢では、現代アーティスト・MADARA MANJI (まだら まんじ)の二度目となる個展、『VORTEX』を開催いたします。

MADARA MANJIは日本古来の金属加工技術である「杢目金(もくめがね)」を駆使した立体作品を制作し、現在国内外で高い注目を集めています。2017年に軽井沢ニューアートミュージアムで初めて開催した個展『Antagonism and Transcendence(相克と超越)』では、作者自身が内面に抱える、他者とは決して相容れない感情や思考、それらが衝突や拮抗を繰り返しながらもひとつの高みを目指すさまをユニークな素材と技巧で可視化、観客に鮮烈な印象を残しました。

3年を経た今展では、それまで「個人」規模で扱っていたテーマ「混ざり合い共存する力」を「自己と他者の関係性」にまで拡張。誰もが内面に抱える「欲望と理性」などの矛盾や、社会や時代におけるパラドックスを様々な異種素材に投影します。強靭なエネルギーを要する技法でそれらが結合された作品世界では、森羅万象がひとつの物体の中に混淆し、緊迫の度を増しながら制御不能なエネルギーの渦(vortex)と化しています。

MADARA MANJI作品における、相反する個性が反発しつつも交わり、その自壊のエネルギーを自立に転化する様相は、人間の精神の普遍性を表しているように見える一方で、現代社会の傲慢さを晒しているようにも感じられます。その脆いばかりの繊細さのなかに見出される美は、侵されることのない高貴さをまとっています。