ホワイトストーンギャラリー香港は『Intermixture vol.2』を開催いたします。今展は2017年開催のグループ展『Intermixture』の続展となります。前例のない表現を実現するために、絵画と立体との境界を埋める多様な素材とテクスチュアが駆使された前展を継承しつつ、鑑賞する皆様が独自の視点で関連性や新たな解釈を見つけて頂ければ幸いです。モチーフ、素材、技法、色彩、形式などの要素は互いに絡み合いながら、感動や思考する余地を鑑賞者にもたらします。出展作家は、桑山忠明、名坂有子、ジャン・ミャオ、坪田昌之、キム・ドクハン。

桑山忠明(日本/アメリカ 1932年生まれ)
名古屋に生まれた桑山忠明は1958年に東京芸術大学日本画科を卒業、さらなる前衛的表現を求めてニューヨークへ移住。桑山は1960年代アメリカにおけるミニマリズムの先駆者のひとりに数えられ、その作品はドナルド・ジャッドやフランク・ステラの作品と同列に展示された。「アイデア、思考、哲学、理性、意味、アーティストの人間性までも私の作品に介入の余地はない。そこにはただアートがあるだけだ。それがすべて」と作家は語る。

名坂有子(日本 1938年生まれ
名坂有子は具体美術協会(1958-1972)の数少ない女性メンバーであるのみならず、物質とカンヴァス/空間との関連性を追求した具体第二世代の中核をなす一人。名坂の高度に独創的な作品は彼女が独自に発展させた方法論に基づいている―ラッカー、石膏、粘土、接着剤を混淆し、電動ろくろに載せて旋回させ、明確なパターンをもった円形を形づくる。数十年にわたり継続的に制作し続けた円は名坂作品のシンボルとなる一方で、多様な解釈と想像力へと開かれた作品となっている。

ジャン・ミャオ(中国 1981年生まれ)
北京中央美術学院で版画制作を専攻したジャン・ミャオは、油彩とアクリルに彫刻技法を組み合わせ、その独自のスタイルで認知されるに至る。各々の作品は、その瞬間の気分や空気、太陽光などを採り入れた20層以上にもなる色彩から成り立っており、封じ込められた色彩を彫ることによって開放する時間の旅となっている。これら多元的なパネル上の諸要素は、それ自体が世界のさまざまな存在を明るみに出し、混然一体となって鮮烈なエネルギーと化す。そうすることで鑑賞者を啓発することが作家の願いである。

坪田昌之(日本 1976年生まれ)
坪田昌之は2001年に大阪芸術大学美術学部修士課程を修了。以後、手仕事の暖かみとモダニズム的センスを兼ね備えたシンプルかつエレガントなスタイルで彫刻家としての地位を確立してきた。主に木材を用い、塔や寺院の構造など古代建築の知識をもとに造形。そこには強さと脆さ、安定性と変動性、といった人類の営みへの知見も盛り込まれている。天然顔料による刺激的な色彩と相まって、作品本体のみならずそれが展示される空間にも豊かなテクスチュアとエネルギーを与えている。

キム・ドクハン(韓国 1981年生まれ)
仏教寺院の修復家としてキャリアをスタートし、キム・ドクハンはラッカー遣いを習得。入念に何層もの色彩を塗り重ねることにより、瞑想的特質をもった抽象作品に仕上げる。各層に紙やすりをかけて研磨するため、表層には様々な色彩が立ち現れ、それらは観る人各々の経験や記憶にフィットする。キムの技法は種々の東洋哲学と実践を採り入れており、パターンや作画、物語性や内的動機にその影響が見て取れる。