1935 – 2016

中西夏之がいう「絵画」とは、絵だけでひとつの世界を完結するものではない。中西は、絵画を私たちの住まう空間に垂直に切り立つ断面とする。それは面積も持たず、輪郭さえもなく、筆が通過し痕跡を発する場所にその都度生まれる部分的な空間である。それゆえ、中西の「絵画」は薄膜の連作の形態をとる。絵画において自明であったいわゆる「タブロー主義」を徹底的に破壊した1950年代後半の「反芸術」の後、絵を描く行為そのものが無化された時代に、中西は旧来の形式に立ち戻るのではなく未踏の領域を切り拓いた。

Selected Artworks

  • Work MIR-I