1928 – 2013

1952年に伯父である堂本印象に随行した欧州滞在を機にパリへと渡った堂本は、油彩画へ転向。日本人画家の今井俊満や菅井汲とも親交を結んだ。1956年、ミシェル・タピエが主導する“アンフォルメル”運動に身を投じる。厚塗りの油絵とうねり渦巻く躍動的な形態という新たな画面を生み出し、非定型の抽象表現を目指すアンフォルメル運動の中心人物として脚光を浴びるとともに、日本の「具体美術」をタピエに紹介した。1962年以降、タピエと袂を分かち自らの新しい表現の模索をはじめた堂本は、持ち味である撥ねや滴りを反復させる「二元的なアンサンブル」シリーズや物質性を強化した「連続の溶解」シリーズへと展開し、アンフォルメル以後の抽象絵画の可能性を画す表現として評価された。1960年代後半から2000年代の晩年にかけて堂本の作風はさらなる変化をとげ、円形や波紋などが連続交差する画面構図や夢幻的な色彩絵画、ぼかしや滲みを利用したオートマティズムの手法を用いた「無意識と意識の間」シリーズといった実験的な絵画を継続した。