1982年兵庫県神戸市に生まれた蛇目は高校を中退後、独学で絵画の研究をはじめる。シュルレアリスムやゴッホに影響を受けつつも2009年にアクリル・スクラッチという独自の技法に到達した。何層にも塗り固められ重厚感を増した木製パネル、時には前回の制作物の残滓である絵の具の塊がランダムに混入され支持体が作られる。造形のヴァリエーションは無限であり、初期の具象的造形から近年の抽象的造形及び文様形成まで、作品制作へ向き合う蛇目のたゆみない情熱が見てとれる。また、作品の魅力のひとつとなっている“色”は、作家本人でさえも次にどのような色が出現するのか分からないという偶然性を持つ。偶発のスリルに刺激される造形意欲と、表現力豊かな削りの技巧が組み合わされた蛇目のアクリル・スクラッチは“新造形”であり、鑑賞者に鮮烈な芸術性を吹き込む。

Selected Artworks

  • 無題 HBM-66