オランダ人アーティスト、フロレンティン・ホフマンは2000年にオランダのカンペン芸術アカデミーで学んだ後、ベルリンへ渡りヴァイセンゼー芸術大学で芸術修士号を取得。

ホフマンは観客が感じる「心地良さ」に挑むことを目標とし、日常のありふれた物質をシンプルな知覚で捉えなおすことで表現している。彼の作品から醸し出される親しみやすさと積極性によって、観客はさりげなく自然にアートを楽しむことができる。のちに彼は、明確で象徴的なイメージへと制作を結実させる。そのサイズ感と素材使いによって疎外感すら与えるような「ラバー・ダック」(2007年)に代表される奇妙なほど巨大な“おもちゃ”。空気注入式の特大サイズで実現されたラバー・ダック風呂用玩具は、フランスからブラジル、ニュージーランドから香港、ピッツバーグからチリのサンティアゴと、世界の港を股にかけて人々の目を楽しませた。

ホフマンが自らの周辺環境へ注ぐまなざしは、素材の可能性の深い考察と、形状と姿容への探求へと導いた。彼は地場の文化を作品のなかへ溶け込ませることにより想像力を拡張させ、見落とされがちな相互作用を喚起する。

社会的関与と相互コミュニケーションがホフマンの創造にとって核となる要素である。公共のスペースに作品を設置するという情熱を共有することで、自身の普遍的美学と観客との邂逅の場をつくり出している。ホフマンによってもたらされる純粋な歓びは、人種や宗教といった垣根を取り払い、作品との対話へと人々を没入させる。制作領域を広げることで、ホフマンは平等と自己というもののちっぽけさを投影しようとしている。

作家は現在、オランダのアーネムに住み制作活動を続けている。